第2章-③ ほぜんって言われてもなあ。。
サポーターでよくね?
【森林保全(シンリンホゼン)】って言われるだけで、えーなんかメンドクサイ。。。って思わない? そもそも保全って、なんか工場とか仕事とか労働とか、なんか堅苦しいフィールドの言葉だよなあ。
要は森は大事なのが分かったら、いい感じで守っていこうねってことでしょ?
だから自分としては、森林サポートくらいの感じが良い気がしてる。んで、僕らは国民全員森林サポーター、ってスタンスはどうかな?なんて考えたりもする。
どうだろ?
里山って知ってっぺ?
さとちさとやま
むかーーーしから、日本人は、森と付き合って生きてきた。山あいの集落、田畑、川や池、それらぜーんぶひっくるめて、里地里山(さとちさとやま)って呼ぶんだ。改めて、名づけるようなことでも無い気もするけど、でもちゃんとこうやって名づけて、大事さを認識するのもたまにはいい気もする。
里地里山って早口言葉みたいで言いづらいから、ここでは里山でいいよね。んで里山っていったい人にとってどんな意味があったんだろうって振り返ってみると、なーんかありがたすぎてもったいない!っていうくらい素晴らしい空間だったことがわかるんだ。
シンプルには、農林業のフィールドとして。木を伐採し、作物を育て、家畜を飼い、キノコを育て、薪を採り、獣を追う。まさに暮らしを支えてきた里山。そしてそれと同時に、多様な動植物の生育空間だったり、美しい景観だったり、防災や気象緩和の役割もあったんだね。この辺の詳細は、前の章「森が頼もしすぎて萌える!」にあった通り。
特に生物多様性(いろんな種類の生き物が豊かにいること)の点でみると、全国の希少種(めずらしい生き物)の5割以上が里山に存在するとも言われてるんだ。もちろん、お馴染みの、トンボやカエルやウサギ、カタクリやスミレ、ツツジなども、まだまだ現役で見られるよね。ただ、国民的有名人ともいえるメダカは、なんと絶滅危惧種のレッドリストに登録されたんだ。これについては後でも話すけど、なんか悲しいよね(涙)。
まとめとして、教科書的に小難しく言うのも最近楽しくなってきた(笑)のでせっかくなので紹介するよ。
里地里山とは、「奥山自然地域と都市地域の中間に位置し、さまざまな人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落を取り巻く二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域概念」と定義される、のであーる。
だって♪ 覚えとけ!(ウソ)
里山ピーーンチ!
里地里山(時々は思い出したようにこれも使うおう(笑))は、天然の森とは違う。その違いは何?
ずばり、人がいないとダメになるってこと。
森や農に関わる人が減った日本では、当然のことながら、里山を維持することが難しくなってきた。放置されたことで、ぼうぼうの「藪(やぶ)」になったり、ごみ捨て場になってしまう場所。人手不足、農業離れから、宅地やゴルフ場になったり、水路がコンクリートで固められてしまい、多くの野生動物が絶滅の危機に陥っている場所。
何千年も続けてきた僕たち日本人の暮らしそのものであった里山の風景は、この数十年のライフスタイルの変化で、激変し、存続の危機に瀕してるんだね。
里地里山の種類
気候が多様な日本列島。里山も、6つのタイプにおおまかに分けられるんだ。君の近くの里山は、いったいどの里山か、見てみよう!
【北海道エリア】 :「シラカンバ二次林などを中心とした里地里山」
※放置すると、やがて自然林に代わっていく。
【函館、西東北、信越エリア】 :「ミズナラ二次林を中心とした里地里山」
※放置すると、やがてブナなどの自然林に代わっていく。
【東東北、関東、伊豆エリア】 :「コナラ二次林を中心とした東日本の里地里山」」
※人口が密集していて開発が多く、タケ・ササの繁茂が目立つ
【北陸、日本海中国エリア】 :「コナラ二次林を中心とした西日本の里地里山」
※人口密度が低く、雪のやや少ないところでは竹の繁茂が目立つ。
【中部、近畿瀬戸内エリア】 :「アカマツ二次林を中心とした里地里山」
※人口が密集しているが、ため池なども多く、希少種も多い。開発やマツ枯れ、タケの繁茂の問題がある。
【南紀、四国南岸、九州エリア】:「シイ・カシ萌芽林を中心とした里地里山」
※竹が繁茂しなければ、やがてシイ・カシの自然林に移行する。
って、覚えらんねーけどね(笑)。
俺には守るべきものがある
里山も守ればそれで済むって話でもない。(そもそも里山すら守れてないけど(涙)!)
日本の国土の7割の森林を応援するってことは、本当にいろんな要素が、目的が、意味があるんだ。心して聞くように。(はい!)
シータは言った
もう当たり前すぎて書くのもバカバカしいけど、人は、「土から離れては生きられない」。これ、シータが言ってるんだから間違いない。「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」って言ってる。
土は、自然であり、自然は、森である。シータは、「人は森から離れては生きられない」と言ったのだ! 「パズーー!!」
まあ日本でもそのへんは大まかにはわかってて、1972年には「自然環境保護法」が、1993年には「環境基本法」が成立して、みんなで自然保護すっぺーとなってるんだ。一安心。
生き物も大事だぞ
ここでクイズです!
Q:日本にはヒト科ヒト属(ホモサピエンス)以外に何種類の生き物がいるでしょうか?
A:知られてるだけで、9万種!! 分類されてないのも含めると、、、、30万種!!!!!
ま、まじか・・・。
しかも日本だけにしか存在しないという「固有種」もたっくさんいて、陸の哺乳類の4割、植物の4割、爬虫類の6割、両生類に至っては8割が、日本にしかいない生き物なんだ。なんか、超珍しいフィギュアとか集めてる場合より、こっち守る方が大事じゃない?(それはそれ、これはこれか。)
あ、なんか聞こえてきた。「ていうか、別にそんなに種類いなくてもよくねー?木とか動物とか、覚えられるくらいでよくねー?」って誰か言ってる!
まあよく聞け。
うまくは言えないんだけど、生物はすべて、ひとつひとつに個性があり、役目が異なり、それぞれが網の目以上の網の目に関係しあい、地球全体でネットワークとしてずっと続いてきたんだ。それが何を意味するか、そしてそれらがどんどん減っていくことがどんな影響があるか、いまだに僕ら人類は、毛の先ほどもわかってない。それが、「生物多様性」なんだ。
もう、地球にいないんだよ
ニホンオオカミは、もう日本にはいないんだ。そう、絶滅したから。
それだけじゃない、トキ、アホウドリ、ニホンカワウソ、アカウミガメ、ニホンザリガニ、なんとなく聞いたことあるこの動物もレッドリスト(絶滅危惧)なんだよ。どう?それでも、このままでいいのかな?
わかんないことは、やみくもにぶっ壊さないで、荒れ果てるのを待つだけじゃなくて、なんとかして、見守っていこうよ。って思うんだ。パズーとして。
増えすぎても困ってる(涙)
「あー、またジャガイモ掘られて食われた!!!」
なんて声が、日本中から聞こえてきてる。そう、獣害だ。
イノシシ、シカ、ノウサギ、キジ、スズメの日本の動物に加えて、ハクビシン、アライグマみたいに海外から持ち込まれて野生化して増えた動物たちが、農産物に与えた被害は、164億円(H29年)に上ると言われてるよ。しかも、猟師の数は減ってるしね。
それでも、むやみに駆除すればいいってわけでもないんだ。
ちゃんと鳥獣保護法っていう法律に基づいて駆除されてるし、鳥獣保護区では、これらの動物も守られてる。悩ましいところだよね。
生物のグローバル化も大変だー
ところで、あの公園で可愛い女の子が夢中で探しちゃう四葉のクローバー、「シロツメクサ」って、外国産って知ってた?
アメリカザリガニ、セイタカアワダチソウ、オオクチバス(ブラックバス)、こいつらももう、日本の自然に完全に住み着いてるけど、みーんな海外からやってきたんだ。
それが単純に悪いってわけじゃないけど、生態系、多様性、人の暮らし(生命・身体・経済活動)に被害を及ぼすものは、困っちゃうよね。
ホント難しい話だけど、大事なのは、バランスってこと。増えすぎちゃっても困るし、減りすぎても困るんだ。だって、昔の里山は、人がちゃんと森とうまく付き合ってたから、バランスがちょうどよく保たれてたってことなんだから。
でも大丈夫。ナウシカもこう言ってる。
「怒らないで 怖がらなくていいの。私は敵じゃないわ」
だから僕たちも、前を向こう♪
だから良いものは、残そうよ!
世界でも、日本でも、大事にしたい場所をぐるっと囲んでしまうってのは、いい方法らしい。だから、国立公園とか自然公園とかって名前の場所が、いっぱいあるんだね。
ブランコとか滑り台がなくても公園
国立公園は、その名の通り、国が管理する自然公園のこと。1934年(なんと戦前!)に瀬戸内海、雲仙、霧島の三ケ所が最初に指定されて、今では30か所、約200万ヘクタール(国土の5.5%)が国立公園になってるんだ。結構面積占めてるよね。
自然を守るために手を付けないっていうだけじゃなく、積極的に野外活動、レクリエーションに活用されることも実施されてるんだ。
やたらと手ぇつけんなよ!と、大事に使うぞ!と、恩恵いっぱい受けっぺ!が程よくミックスされて活用されてんだね。
出ました!猫も杓子も世界遺産!
みんな世界遺産好きだよねー。
俺も(笑)!!
やっぱなんていうか、スケールデカいし、なんかプレミア感あるし、なんならパワースポット感っぽいし♪ あ、あくまでも自然遺産の方ね。今語っちゃってるのは。(法隆寺とか首里城とかは文化遺産だからお間違えなく。)
世界遺産(自然遺産)。日本だと、「白神山地」に「屋久島」に「知床」の三つ。
なにせ、『顕著で普遍的な価値のある遺跡や自然地域などを、人類全体の世界的な遺産として保護し、保存し、国際的な協力体制の確立を目的として』いるんだぜ、恐れ入ったか!なんか凄そう!
マジで、ここに手を出したら神様も、世界も、ユネスコも、黙っちゃいないから注意しな。
まあ今どきの一般モテ常識として、日本の三つくらいはどんな場所か覚えといてもいいかもね。
「知床」 :世界で最も低緯度の海氷域であり、海氷の影響による海洋生態系と陸上生態系が連続する、相互関係の顕著な見本としての複合生態系が維持されている。
「屋久島」 :樹齢数千年のヤクスギ巨木群を代表とする多くの固有種や絶滅危惧種を含む生物相を持ち、海岸部から亜高山帯に及ぶ植生の典型的な垂直分布がみられる。
「白神山地」 :氷河期以降の新しい東アジアにおける代表的なブナ林であり、ブナ林の純度の高さやすぐれた原生状態の保存、動植物相の多様性において世界的に特異な森林である。
あー、生きてるうちに、一度は行ってみたいよねえ。ミーハーでもいいから!
エコツーリズムって何?
みんな、いい加減に自然が大事だってこと、森ってヤバくない!?ってことわかってくれたよね。
「でもなんか物足りない。」そんな声が聞こえる。いや、ていうか物足りないって言って(笑)!
そうなのよ。結局こうやって文字で読んでも、実感したーとは言えないんだよね。
だから大事なのよ、現場での体験が。だって「事件は現場で起きてんだから!」
まなぶのも大事
環境教育って言葉があるの知ってる? なんか道徳の時間みたいでピンと来ないかもしんないけど、要は森林と触れ合って体験して森林って大事ーって覚えてねっていうこと。
老若何女とわず、そういう機会が増えることで、まずは一歩、森に近づくわけだから。
その意味で、「森林セラピー」は環境教育にぴったりなわけよ。森のすばらしさ、森のありがたさ、森の尊さを、ぜーんぶ体験できるからね♪ ってなんか森林セラピーの回しものみたいな言い方だけど(笑)。
休むのも大事
で、エコツーリズムも、いわば環境教育の一つ。旅行しながら、観光しながら、ガイドの方から案内を受けて、自然の保護に配慮しつつ自然に触れ合い、学び、知る活動のことなんだって。
グリーンツーリズムって言葉もあって、農村とか漁村とかいわゆる田舎地域で、その自然や文化、土地の人々と交流する滞在型の余暇活動のことを言うよ。
どっちも、楽しみながら、自然と森と親しもうって言うのは、いいんじゃなーい♪?
そう思ったみんな、今週末は、地元の森林ボランティアにでも参加して、森を守り、森を味わい、森と生きようじゃないか!!!
※ちなみに、茨城県久慈郡大子町では、「勝手に森林サポーターの会」という森のサポーターを応援する企画があるよ♪ 興味があったら大子町にGOだね♪ (セラピーまなぶ君とは直接関係ないかどうかは、本人にもわからない。)
第2章ー④へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓