第3章-① さあみんなー、ストレスの時間だよー♪
※この記事の多くは、コロナウィルス災禍が発生する以前の2019年に執筆したものです。
★~~★で囲んだ文章は、コロナウィルスに関した追記した内容となります。
ストレスは体を直撃!
へーい♪ ほー♪ よーよーよーめーん♪
♪~今や日本も令和の時代!
♪~猫も杓子もストレス次第!
♪~★望んでないのにコロナ以来!★
♪~★世間に溢れる不安と恐怖!★
♪~身体に悪いってウワサが豊富!
♪~知って調べて解消のコース!
♪~体も心も負けない流れ!
♪~行きつく先は緑の中で!
♪~森でセラピーぶちカマセ~~!!
てなかんじで軽くリリックかましたところで、今回も元気にイッてみよう~~♪
そもそもリラックスってなに?
みんなリラックスしてる?
してるにせよ、してないにせよ、それ、自分の身体がどんな状態か説明できるかな?
リラックスってひとことに言っても具体的にはどんなイメージがあるかな。
なんとなく心がゆるんで心地よい感じ?
身体が緊張してなくて、安心してる感じ?
うんうん、そうそう、そんな感じ。
でもそれって一体、「なんで」そうなってるか説明できる?しかも、医学的に♪
答えを先に言うよ。
医学的に言うと、リラックスした状態というのは、
「自律神経である副交感神経系が亢進した(高まった)状態」
を意味している。
これ、実はとっても重要。リラックスっていうのは、なんか適当にやってくるものとかではなくて、『内外からの様々な働きかけによって副交感神経系が交感神経系より優位になることで、結果訪れるもの』なんだ!
だから、森林セラピーの中で
・フィトンチッドを取り入れたり
・F分の1のゆらぎを感じたり
して、実際に副交感神経系を優位に作用させる活動に身を置くことで、結果としてリラックス効果を得られるというのが、医学的なセラピーのメカニズムなんだ。
逆に集中したり緊張・不安を感じたりするときは、交感神経系が高まってる状態。
副交感神経と交感神経は拮抗作用(二つの要因が同時に働いて、互いにその効果を打ち消し合う作用)、つまり一方が優位なときもう一方は必ず低下してるから、リラックスしたくて森に入っても、激しく動いたり緊張を高める行動をとっていると、いつまでもリラックスはできないってことだね。
バランスが大事
だからといって交感神経系が悪いってわけではないよ。交感神経も、人間にとっては欠かせない要素だからね。
交感神経が高まっている状態、つまり適度な、覚醒・緊張状態は、社会活動や運動時のパフォーマンスを向上することが分かっている。集中してたり頑張ってる時に仕事や成果が上がる時ってのは、こっちが優位だからこそのお蔭なんだよね。
活動面で言えば、副交感神経が優位すぎるとリラックスしすぎて行動力は低下するし、交感神経が優位すぎると極度に緊張してしまい持続力が失われる、そんなイメージではないかな。
とはいえ、現代社会は仕事や日々の暮らしの中で、慢性的に身体的・精神的な負担がかかっていて、交感神経系が高まっている(亢進している)状態に傾きやすいんだ。だからこそ、森林でのセラピー体験で副効果神経系を高め、リラックスを体験してもらい、自律神経系のバランスを整えることができるんだね。
リラックスにもコツがいる
仮にもセラピストを名乗り、森林セラピーを提供するのならば、「山入ってればそれでOK!」とはいかない(笑)。
限られた時間で、せっかくリラックス体験をしてもらうなら、ポイントをおさえるのが優しさってもんだ。具体的には、セラピーに参加してもらった人たちへの配慮として、
・説明、紹介(つまり口頭でのなんやかんや)は簡潔に!
・日常を忘れられるような「非日常」を味わってもらう
・穏やかな雰囲気づくりを心掛ける
・適度な、適切な、腹式呼吸法や漸進的筋弛緩法を実施する
などなど、セラピストを目指すなら、この辺は常に心に留めておこうね!
ストレスをなんかアニメっぽくとらえてみよう
そもそもストレスってなに?
そもそもなんだけど、
みんな、簡単に、ストレス、ストレス言い過ぎ(笑)。
本来の意味をちゃんとわかってるかな?
学校でも教えてくれないけど、ここで分かり易く説明してあげましょう。
心の準備OK?
ストレスとは、「本来、物理学で用いられていた用語で、物体に外から力が加わったときび生じる『ひずみ』『ゆがみ』を意味する」のであーる。
じゃーーん!!
いやいやいや!何それ?! 余計わかんねーよ!って声がきこえてくる(笑)!
まあついて来てよ。
ゴムボール押したらへこむじゃん?
で、その凹んでる感じは、細かく見ると2つの要素に分けられるんだ。
①ボールを凹ませている、指とか何かしらの「外から加えれた力」
②ボールの「凹みそのもの」
この、外から加えられた力は、①【ストレッサー(ストレス要因)】と言い、
凹みそのものを、②【ストレス反応】と言うよ。
これを、物理的な状況から社会心理的な状況に当てはめて、さらにはストレッサーとストレス反応の2つをまとめて「ストレス」と呼んでるんだ。
だから、「仕事がストレスだー」とか言ってる時は、①ストレッサーのことを意味してるし、「最近ストレス溜まってるんだ」とか言ってる時は、②ストレス反応のことを意味してるんだね。
ボールはへこませても手を離せばもとに戻るけど、ずっと押さえてたり、強すぎる力で押すと、凹んだままの状態になってしまうことがあるでしょ?これ、人間にもあてはまるんだね。人間の心身に例えると、へこんだままの状態が、健康を害した状態だと言えるんだね。
いでよストレッサー四人衆!
ボールをへこませていた、指で押す力を、心理・生物学的に言い換えると、4つに分類できるんだ。
心の面、身体の面、社会の面、いろいろあるけど、まとめたらこうなったぜ。
出でよ、ストレッサー四人衆!
①物理的ストレッサー!・・・騒音、温度、湿度、明るさ、などで人を困らせる憎いやつ。
②科学的ストレッサー!・・・換気の悪さ、ごみ、薬品、臭気など、身体に直接ダメージアタック!
③生物的ストレッサー!・・・細菌、ウィルスなど、病気といえば、俺らにお任せ。
④心理的ストレッサー!・・・悲しみ、喜び、怒り、不安、人間関係のトラブル、緊張など、生きてるからこそ味わえるんだけど、そんなに困らせないでくれ。
そう、この世で生きているかぎり、ストレッサー4人衆は、いつでも襲い掛かってきてるんだ! ほぼ毎日、起きてる間ずっと、こいつら4人が次から次と襲い掛かってくるんだ。なんてこった!!
闘え!さもなくば、逃げよ!
ところで、生命が危険な状態(ストレッサーに直面)したときに発生する自然な反応(ストレス反応)はそもそもどんなものなんだろうか?
ボールはへこんだら、戻るよね。もとの丸い状態に。
それを、生物に当てはめるとどういうことが言えるだろう。生命(例えば動物)は、危険な状態に直面すると、自然な反応として、「闘うか」、「逃げるか」、という反応を起こすんだ。つまり、闘争か逃走。ダジャレみたいだけど、これマジメな用語♪
闘う、あるいは逃げる、というのが、生命(動物)にとっては正しいストレス反応なんだね。この正しいストレス反応を行うことで「ストレス発散」が行われ、ストレス状態から解放されるんだね。そう、へこんだボールがもとに戻るように。
しかーし!そうはイカの〇〇。
現代社会に生きる僕たちは、安易に闘争も逃走も許されない。それによりストレスが処理しきれず、その状態が続いてしまうと、健康障害が引き起こされてしまうんだ。
反応は、時間とともに、変化するのじゃ
凹んだボールが示すストレス反応は、凹んだ直後は膨らみ返すけど、ずっと押したままだと凹んだままになってしまうのと同じように、人間のストレス反応も、実はストレッサーに直面した後、時間とともに変化するんだ。
ストレス反応は、人にとって自然なことでもあり、当然備わった機能でもあるんだ。え?!どういうことかって?
待ってね、順を追って時間軸をベースに今から説明しよう。
【警告期(第一段階)】
生体がストレッサーに直面した時、一時的に、抵抗力の低いショック相という状態になる。自動的に、身体がそのような状態になってしまうんだ。そのとき、血圧の低下、体温の低下、胃腸粘膜の炎症などが生じているよ。
その後、それを回復させようと、逆の状態(反ショック相)に移行して、突然のショックから立ち直り、積極的に防御反応に移るよ。ショック相とは逆方向へ向かい、心拍数・心拍出量の増加、血圧上昇、血糖値上昇、呼吸数増加などが起こる。それによって低下していた生体機能が急速に回復し、抵抗力を取り戻すみたい。
【抵抗期(第二段階)】
警告期を過ぎ、さらにストレッサーにさらされていると、抵抗力は高まった状態で安定し、血圧の上昇、体温の上昇などで、ストレッサーを跳ね除けよう(闘争と逃走)という行動のベースとなる。反ショック相の状態が継続してて、なんとか身体を持ちこたえさせてるんだけど、でも、実は、ギリギリで保っている状態でもあるんだ。
防衛反応として脳内物質のホルモン放出にも影響があり、依存症への傾向も増すことがあるみたい。
【疲憊期(第三段階)】(※読み:ひはいき)
そのままストレッサーにさらされ続けると、生体の抵抗力が下がり、心身様々に症状を生じ、場合によっては死に至ることもある。
※参考URL
・ストレスの仕組み-生物、心理、社会的に見た場合-
⇒http://www.pref.kyoto.jp/health/health/health09_b.html
・真面目な日本人は「副腎疲労」になりやすい
⇒https://online.sbcr.jp/2014/11/003868.html
つまり、ストレス反応は、最初はショックで一時期ヤバいけど、自然な復活力(カッコよく言えばレジリエンス)でストレスに対抗できるようになる。でもその対抗できる状態のうちにストレッサーから離れられたらOKだけど、ずっとストレス下に居続けてしまうと、抵抗力は落ち、心身共に抵抗力が下がって、やがては症状を起こしてしまうんだ。
やがて現れたるは、ストレス症状三仮面!
疲憊期(ひはいき)の末に現れる心身の変化こそが、ストレスによる心身の症状だ。いよいよ現れた、お面をつけた、3人のやっかいな奴ら。心して備えるがいい。
①身体面!・・・身体に直接起こる、不快、苦痛を伴う変化のことだね。いわゆる、症状。ああ、身体がつらい(涙)。
⇒血圧上昇、動悸、狭心症、発汗、顔面紅潮、胃痛、下痢、吐気、ふるえ、めまい、筋緊張、頭痛、腰痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、喘息ほか
②精神面!・・・心に起こる、喜ばしくない状態や、精神疾患の類のこと。ああ、心が苦しい(涙)。
⇒不安、緊張、怒り、興奮、混乱、気分の落ち込み、イライラ、無気力、うつ病、不安障害、神経症ほか
③行動面!・・・自覚的無自覚的かはともかく生活の中で実際に起きる、芳しくない状態だね。ああ、ウマくいかない(涙)。
⇒攻撃的・いさかいが増える、多弁、孤立、無口、仕事上のミス、事故、遅刻、早退、欠勤、ギャンブル依存、アルコール多飲、食行動の異常、衝動買い、自殺企図、喫煙量の増加など
ストレッサー4人衆を引き連れて俺たちを襲う、ストレス症状3仮面。ああ、どうすればいいんだ!
ドーピングはだめだけど、コーピングならOK
ストレスに対抗するために僕たらができることってなんだろう?
その頼もしい相棒は、〇ーピングと呼ばれている。
そうそう、あの、飲んじゃって、ていうかヤっちゃって、筋肉モリモリで、足早くなる~みたいなっておい!それドーピング!!違う違う!
コーピングだよコーピング、一字違う!
コーピングは、決してやましいものじゃないから!
「ストレスを評価し、対処するための行動」っていう立派な意味があるから!
コーピングは、ストレスの種類とか、個性、その人の状況に応じて、いくつかのタイプに分けられるよ。適切にコーピングを行えば、ストレスと上手く付き合うことが可能なんだ。なんかスゲーぞコーピング!
そう、コーピングこそ、ストレッサー四人衆とストレス症状三仮面に立ち向かうための、頼もしい武器になるんだ。
別に特別に難しいことをするわけじゃない。
例えば、仕事をミスして上司に怒られたとき、「同僚に話す」とか「酒を飲んで気を紛らわす」「ミスを克服する」も、コーピングなんだ。え、どういうこと?って思うよね。
コーピングの種類はおおまかに3つくらいあって、
・刺激(ストレス)を除去・軽減する方法
・刺激に対する評価を転換する方法
・ストレス反応を沈静化する方法
があるんだって。
要は、原因をなくす(問題解決型)、見方を変える(認知的処理型)、症状を軽くする(情動処理型)の3つ。
具体的な例をみて考えてみよう。
「同僚に話す」ことは、それ自体が気持ちを軽くする(=情動処理型)こともあるね。また、同僚からアドバイスをもらうことで「そういう考えもあるか」と思えるようになれば(=認知的処理型)、立派にストレス処理できたことになる。つまり、「同僚と話す」ことは、よいコーピングだったと言える。(※ただし、これは結果が伴った場合によるよ)
「酒を飲む」は、その時は憂さ晴らしをしたので症状を減らした(=情動処理型)けど、翌日はなんかすっきりしないで体がだるいなどとなっていたら、あまりよいコーピングとは言えないよね。でも翌日に残らない飲み方なら、それはそれでいいコーピングとも言える。
「ミスを克服する」は、原因に直接対応して今後のストレスを軽減させる(=問題解決型)ことができるけど、完璧性とかプレッシャーが増えるようにならないように、気を付けないといけない。
だから、状況に合わせて効果的なコーピングを使えるようになるのが肝心なんだね。
ユー、頼っちゃおうよ!
ストレスへの対処の方法の中で、コーピングのひとつとも言えるけど、ちょっと分けて考えられるものに、「社会的支援(ソーシャルサポート)」もあるね。公的機関だったり、心療内科的な医療機関だったり、あるいは、サークル活動的なサポートもあるかもしれない。
つまり、誰かに頼る!ってのも大事だってこと。自分だけで立ち向かう必要もないんだ。
あーすばらしきストレス社会
そんなこんなで、現代社会に生きる以上、ストレスとの付き合い方は避けられない状況ではあるんだけど、実は世界に目を向けると、国や地域によって、様々でもあるんだよね。
ここからはおまけで、われらが愛おしき日出ずる国、にっぽんについて調べてみたよ。
世界の中で考えると、日本人て、ストレス的にはどんな感じか知ってるかな?
日本はストレス大国よ
四の五の言わず、データを並べるよ。それで、おおまかには、日本の現状がわかるから。
まずは、ストレスの指標ともいえる、うつ病について。
WHOの調査では、うつ病は、すべての病気の中で生涯有病率(一生のうちに一度はかかる人の割合)が4番目に高い病気なんだって。うーんでもこれ、1位~3位が調べても出てこないから、順位はどうでもいい。ただ、現代ではよく罹りやすい病気の一つになってるってことが大事。
次はうつ病にかかりやすい傾向。これは、女性が男性より約2倍かかりやすい。これは、ホルモンの影響とか、出産とか、女性特有の悩みとか、などが理由だって。男性でも、30代~40代の働き盛り世代がかかりやすいらしい。なんとなく、分かるよね。
あとは、日本は先進国の中で、もっとも自殺率が高い。1998年以降、毎年3万人。。。それを受けて、2006年には内閣府の所管しての「自殺対策基本法」が制定されたんだって。それにより、現在(2017年)には、2万人程度にまで減ってはきているみたい。
24時間ハタラケマスカ?
企業にとって、とっても大事な従業員。従業員が元気に働いてなければ、会社だって元気じゃない。たぶん。
平成19年の調査では、なんと58%の労働者がストレス「あり」と答えたんだって。
その中でも、「人間関係」が1位で38%、「仕事の質」が34%、「仕事の量」が30%と続く。もはや、働いてる環境すべてがストレスになってるじゃん!
会社にとって避けたいのは、社員のストレス過多の状況が続くと、心の状態が悪化、身体に影響、休職、の流れ。そんな中でも、教職員の休職数は、、、病気休職者の63%が精神疾患なんだって。。。先生、がんばってる(涙)!
それを受けて、企業では、社員のメンタルヘルス対策を推進してくことが、官民一体となって進められているようだよ。それまでに、先生、がんばってね(涙)!
ストレスの仕組み、対応策、日本の現状について、しっかりわかってもらったうえで、次章からは、森林セラピーが、どんなに頼もしい存在かを説明するから、楽しみにしててね。
企業戦士のみんな、おらたちが森林セラピーで待ってるから、ぜってー来てくれよな!
ということで今日はここまで!
第3章ー②へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓
第2章-④ カタカナの森に迷い込むけど覚悟しな
カタカタばっかだけどついてこい
今回お披露目するカタカナを羅列するよ。いい?
フォレストスケープコンケイブセラピーロードゲートサインシークエンスピクトグラムランドマーク。。。ふう。
最初からため息で申し訳ない!おっさんにはなかなか大変なのよ。カタカナ概念。でも、森林セラピーを学ぶには、避けて通れないから、一緒についてこい!
あと、前回までは日本の森の現状について、みたいなスケールでかい話が続いたけど、今回はいきなり森林セラピーの森のこと限定の話になるから、そのスピード感のズレも味わってね(笑)。
フォレストスケープ
「森の眺め」でいいんじゃね?
森林とか樹木を見た時の景観のことを、フォレストスケープって呼ぶとのこと。でも単純な「眺め」と違って、眺める場所の位置だったり、そこからいい景色がちゃんと見えるような伐採方法だったり、設備とか看板とかも景色の一部だとして、ちゃーんとデザインされてるか、っていうのを考えるのが、フォレストスケープというわけ。
なるほど、これは日本語にはない新しい感じだ。じゃあカタカナで仕方ないか。うむうむ。
で、大事なポイントもまとめるよ。
①視点と視対象の関係
景色はただそれが良いかどうかじゃなくて、どこから見るのが最も効果的か?ということもちゃんと考えよう!
②視点を含む空間
見る場所が、居心地がいいか、とか足元危なくないか、とか雑草で眺めが遮られてないか、とかもちゃんと考えよう!
③利用者
いったいどんな人が実際にそこで眺めを楽しむのか、も考えよう!
④森林以外の視対象
森だけじゃなくて、草原、湖沼、渓流、草花、橋etc、見えてるものすべてが対象だよ♪
これらを十分に考慮されたフォレストスケープを作り上げていく、用意していく、提供するっていう意識を持つことが、森林セラピーには大切なんだ。
コンケイブって何!?昆布?
フォレストスケープを考えるときに、実際にどんなポイントに気を付ければいいか、っていうのはヒントがあるんだ。具体的にはなかなか難しいけど、うまく工夫すれば、そうした景観の、セラピーとしての価値をさらに高めることができる。いくつかあるので取り入れてみよう。
①人工林の自然性
人工林って、今放置され気味で、セラピー的にあんまりオススメされない。でも手を入れて下層植生を豊かにすると、自然さが増して景観としていい感じになってくよ。
②コンケイブ
えーと、まず昆布じゃない!
立ってる場所から、すり鉢を見下ろしたような景色を見えるような場所を、コンケイブ地形って言うよ。コンケイブ地形から眺める景色は、奥の樹木は立体的に映るし、渓流を挟んでいたら水辺の全容を見下ろせる。そんな場所にベンチとか置いてたら最高♪
③景観の多様性
遠くを見せるポイントとか、足元の草花に注目してもらうポイントとか、遠近を取り混ぜた景観を考えよう。その上で、散策路周辺の草刈をするとか、見晴らしが良くなるように伐採するとか、とる対策が変わってくるね。
デザイン
あ、やっとわかるカタカナ出てきた(笑)。
でも、デザインってただ綺麗に絵を描くこととは違うのは知ってた?デザインとアートは違ってて、デザインは誰のために、どんな目的で、っていう視点が欠かせないんだ。
だから、そもそもセラピーロードってどんな目的だったっけ?っていうのが、分かれば、おのずとセラピーロードのデザインが決まってくる。
森林セラピーってどんな人に来てもらいたいのかなあ。
例えば、心身が疲れた現代人、とか、健康に関心のある中高年、とかかな。あとは、女性や子どもも安心して気軽に来てほしいな。
じゃあ道は険しすぎずに、森の景観を楽しめるように緩やかで歩きやすい道がいいかもね。ああ、でもずっと平坦だと飽きるから、ある程度の起伏があってもいいな、とか、どんどんイメージが膨らんできた(笑)。
具体的には、まずはどんな人(高齢者、障害のある方)でも移動できるユニバーサルデザインのセラピーロードが数百メートル続いて~、30分くらいの緩やかな散策路があって~、1時間くらいの傾斜の少しある山道もあって~、本格的なコースも控えてて~、てな感じでデザインしていくのも、ありなんだね♪
足元はどうする、とか、見通し良く草を刈る、とか、太陽光が入るようにする、とか、よーく考慮してデザインすること、手を入れることが大事なんだ!
サイン
看板のこと!
有名ラーメン店に飾ってある芸能人のあの色紙がセラピーと何が関係あるの?って思わなかった?
違う違う、そうじゃ、そうじゃなーい♪
セラピーロードのサインていうのは、まずは、森の入り口(ゲート)の看板のこと!
セラピー基地の概要とか特徴とかを置いて、利用者にセラピーロードの基礎的な知識を与えるために設置するんだって。
なんつうか、
「ふむふむ」と「ワクワク」のために必要な仕掛け。
ディ○ニーランドのシン○レラ城の、玄関に入った時の期待持たせるナレーション演出みたいな感じだろうかね?
草花とか鳥の情報とか、散策路の距離や傾斜の情報とか、運動量とか健康効果の情報とかあってもいいね~。
サインは入口だけじゃない
ロード(散策路)には、途中に休憩場所があると、歩くだけじゃないセラピー体験ができていいよね。座ったり、寝転がったり。そういう場所を「座観場所」って言うんだけど。
だから、できればそんな途中の場所に、サインを置くのもオススメ♪
あ、この休憩場所にあの映画スターが立ち寄った時の色紙です~とかじゃなくて!
座観場所に設置するサインは、実際に森林浴実験を行った結果とかがオススメ。なるほど~って実感させといてからの~、セラピーどーん!っていうのが効果高いらしいから(笑)。
ピクトグラム
まーたわからんカタカナ出てきた!
なんだそれ?って思ったら、絵文字だってさ♪ え?あのケータイの?スマホの?
じゃなくて、えーと、説明難しいけど、「森林の自然要素をピクトグラム(絵文字)としてデザインし、セラピーロードに的確に配置すると、利用者が各ロードで森林セラピーを体験する手助けとなる」んだって!
例えば、
・涼しい風の通る谷や針葉樹のフィトンチッドが豊富な場所
・マイナスイオンがたくさん発生する水辺
・落ち葉でふかふかした土の道
みたいなポイントに、「特徴が一目で分かる」ピクトグラムが設置してあると、その助けを借りて五感の刺激を通した癒し効果を認識しやすくなるそうな。
なんかごめんね、教科書みたいな書き方で。これ、テキストのほぼ丸写しだから(笑)!!
えーと、がんばって自分の言葉で書くぞ。
漠然と森を歩いて案内者の説明受けながらでもいいんだけど、コースのポイントポイントに、オシャレにデザインされたピクトグラム看板があると、雰囲気あるしセラピー効果も高まるしいいよ~ってことだ!
あとは、「森林セラピー®総合サイト」からそのまんまコピペした参考画像があるから、それでイメージ共有しよう♪
いやー、これ素人には無理!(そもそもお前に頼んでない!)
ということで今日はここまで!
第3章ー①へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓
第2章-③ ほぜんって言われてもなあ。。
サポーターでよくね?
【森林保全(シンリンホゼン)】って言われるだけで、えーなんかメンドクサイ。。。って思わない? そもそも保全って、なんか工場とか仕事とか労働とか、なんか堅苦しいフィールドの言葉だよなあ。
要は森は大事なのが分かったら、いい感じで守っていこうねってことでしょ?
だから自分としては、森林サポートくらいの感じが良い気がしてる。んで、僕らは国民全員森林サポーター、ってスタンスはどうかな?なんて考えたりもする。
どうだろ?
里山って知ってっぺ?
さとちさとやま
むかーーーしから、日本人は、森と付き合って生きてきた。山あいの集落、田畑、川や池、それらぜーんぶひっくるめて、里地里山(さとちさとやま)って呼ぶんだ。改めて、名づけるようなことでも無い気もするけど、でもちゃんとこうやって名づけて、大事さを認識するのもたまにはいい気もする。
里地里山って早口言葉みたいで言いづらいから、ここでは里山でいいよね。んで里山っていったい人にとってどんな意味があったんだろうって振り返ってみると、なーんかありがたすぎてもったいない!っていうくらい素晴らしい空間だったことがわかるんだ。
シンプルには、農林業のフィールドとして。木を伐採し、作物を育て、家畜を飼い、キノコを育て、薪を採り、獣を追う。まさに暮らしを支えてきた里山。そしてそれと同時に、多様な動植物の生育空間だったり、美しい景観だったり、防災や気象緩和の役割もあったんだね。この辺の詳細は、前の章「森が頼もしすぎて萌える!」にあった通り。
特に生物多様性(いろんな種類の生き物が豊かにいること)の点でみると、全国の希少種(めずらしい生き物)の5割以上が里山に存在するとも言われてるんだ。もちろん、お馴染みの、トンボやカエルやウサギ、カタクリやスミレ、ツツジなども、まだまだ現役で見られるよね。ただ、国民的有名人ともいえるメダカは、なんと絶滅危惧種のレッドリストに登録されたんだ。これについては後でも話すけど、なんか悲しいよね(涙)。
まとめとして、教科書的に小難しく言うのも最近楽しくなってきた(笑)のでせっかくなので紹介するよ。
里地里山とは、「奥山自然地域と都市地域の中間に位置し、さまざまな人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落を取り巻く二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域概念」と定義される、のであーる。
だって♪ 覚えとけ!(ウソ)
里山ピーーンチ!
里地里山(時々は思い出したようにこれも使うおう(笑))は、天然の森とは違う。その違いは何?
ずばり、人がいないとダメになるってこと。
森や農に関わる人が減った日本では、当然のことながら、里山を維持することが難しくなってきた。放置されたことで、ぼうぼうの「藪(やぶ)」になったり、ごみ捨て場になってしまう場所。人手不足、農業離れから、宅地やゴルフ場になったり、水路がコンクリートで固められてしまい、多くの野生動物が絶滅の危機に陥っている場所。
何千年も続けてきた僕たち日本人の暮らしそのものであった里山の風景は、この数十年のライフスタイルの変化で、激変し、存続の危機に瀕してるんだね。
里地里山の種類
気候が多様な日本列島。里山も、6つのタイプにおおまかに分けられるんだ。君の近くの里山は、いったいどの里山か、見てみよう!
【北海道エリア】 :「シラカンバ二次林などを中心とした里地里山」
※放置すると、やがて自然林に代わっていく。
【函館、西東北、信越エリア】 :「ミズナラ二次林を中心とした里地里山」
※放置すると、やがてブナなどの自然林に代わっていく。
【東東北、関東、伊豆エリア】 :「コナラ二次林を中心とした東日本の里地里山」」
※人口が密集していて開発が多く、タケ・ササの繁茂が目立つ
【北陸、日本海中国エリア】 :「コナラ二次林を中心とした西日本の里地里山」
※人口密度が低く、雪のやや少ないところでは竹の繁茂が目立つ。
【中部、近畿瀬戸内エリア】 :「アカマツ二次林を中心とした里地里山」
※人口が密集しているが、ため池なども多く、希少種も多い。開発やマツ枯れ、タケの繁茂の問題がある。
【南紀、四国南岸、九州エリア】:「シイ・カシ萌芽林を中心とした里地里山」
※竹が繁茂しなければ、やがてシイ・カシの自然林に移行する。
って、覚えらんねーけどね(笑)。
俺には守るべきものがある
里山も守ればそれで済むって話でもない。(そもそも里山すら守れてないけど(涙)!)
日本の国土の7割の森林を応援するってことは、本当にいろんな要素が、目的が、意味があるんだ。心して聞くように。(はい!)
シータは言った
もう当たり前すぎて書くのもバカバカしいけど、人は、「土から離れては生きられない」。これ、シータが言ってるんだから間違いない。「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」って言ってる。
土は、自然であり、自然は、森である。シータは、「人は森から離れては生きられない」と言ったのだ! 「パズーー!!」
まあ日本でもそのへんは大まかにはわかってて、1972年には「自然環境保護法」が、1993年には「環境基本法」が成立して、みんなで自然保護すっぺーとなってるんだ。一安心。
生き物も大事だぞ
ここでクイズです!
Q:日本にはヒト科ヒト属(ホモサピエンス)以外に何種類の生き物がいるでしょうか?
A:知られてるだけで、9万種!! 分類されてないのも含めると、、、、30万種!!!!!
ま、まじか・・・。
しかも日本だけにしか存在しないという「固有種」もたっくさんいて、陸の哺乳類の4割、植物の4割、爬虫類の6割、両生類に至っては8割が、日本にしかいない生き物なんだ。なんか、超珍しいフィギュアとか集めてる場合より、こっち守る方が大事じゃない?(それはそれ、これはこれか。)
あ、なんか聞こえてきた。「ていうか、別にそんなに種類いなくてもよくねー?木とか動物とか、覚えられるくらいでよくねー?」って誰か言ってる!
まあよく聞け。
うまくは言えないんだけど、生物はすべて、ひとつひとつに個性があり、役目が異なり、それぞれが網の目以上の網の目に関係しあい、地球全体でネットワークとしてずっと続いてきたんだ。それが何を意味するか、そしてそれらがどんどん減っていくことがどんな影響があるか、いまだに僕ら人類は、毛の先ほどもわかってない。それが、「生物多様性」なんだ。
もう、地球にいないんだよ
ニホンオオカミは、もう日本にはいないんだ。そう、絶滅したから。
それだけじゃない、トキ、アホウドリ、ニホンカワウソ、アカウミガメ、ニホンザリガニ、なんとなく聞いたことあるこの動物もレッドリスト(絶滅危惧)なんだよ。どう?それでも、このままでいいのかな?
わかんないことは、やみくもにぶっ壊さないで、荒れ果てるのを待つだけじゃなくて、なんとかして、見守っていこうよ。って思うんだ。パズーとして。
増えすぎても困ってる(涙)
「あー、またジャガイモ掘られて食われた!!!」
なんて声が、日本中から聞こえてきてる。そう、獣害だ。
イノシシ、シカ、ノウサギ、キジ、スズメの日本の動物に加えて、ハクビシン、アライグマみたいに海外から持ち込まれて野生化して増えた動物たちが、農産物に与えた被害は、164億円(H29年)に上ると言われてるよ。しかも、猟師の数は減ってるしね。
それでも、むやみに駆除すればいいってわけでもないんだ。
ちゃんと鳥獣保護法っていう法律に基づいて駆除されてるし、鳥獣保護区では、これらの動物も守られてる。悩ましいところだよね。
生物のグローバル化も大変だー
ところで、あの公園で可愛い女の子が夢中で探しちゃう四葉のクローバー、「シロツメクサ」って、外国産って知ってた?
アメリカザリガニ、セイタカアワダチソウ、オオクチバス(ブラックバス)、こいつらももう、日本の自然に完全に住み着いてるけど、みーんな海外からやってきたんだ。
それが単純に悪いってわけじゃないけど、生態系、多様性、人の暮らし(生命・身体・経済活動)に被害を及ぼすものは、困っちゃうよね。
ホント難しい話だけど、大事なのは、バランスってこと。増えすぎちゃっても困るし、減りすぎても困るんだ。だって、昔の里山は、人がちゃんと森とうまく付き合ってたから、バランスがちょうどよく保たれてたってことなんだから。
でも大丈夫。ナウシカもこう言ってる。
「怒らないで 怖がらなくていいの。私は敵じゃないわ」
だから僕たちも、前を向こう♪
だから良いものは、残そうよ!
世界でも、日本でも、大事にしたい場所をぐるっと囲んでしまうってのは、いい方法らしい。だから、国立公園とか自然公園とかって名前の場所が、いっぱいあるんだね。
ブランコとか滑り台がなくても公園
国立公園は、その名の通り、国が管理する自然公園のこと。1934年(なんと戦前!)に瀬戸内海、雲仙、霧島の三ケ所が最初に指定されて、今では30か所、約200万ヘクタール(国土の5.5%)が国立公園になってるんだ。結構面積占めてるよね。
自然を守るために手を付けないっていうだけじゃなく、積極的に野外活動、レクリエーションに活用されることも実施されてるんだ。
やたらと手ぇつけんなよ!と、大事に使うぞ!と、恩恵いっぱい受けっぺ!が程よくミックスされて活用されてんだね。
出ました!猫も杓子も世界遺産!
みんな世界遺産好きだよねー。
俺も(笑)!!
やっぱなんていうか、スケールデカいし、なんかプレミア感あるし、なんならパワースポット感っぽいし♪ あ、あくまでも自然遺産の方ね。今語っちゃってるのは。(法隆寺とか首里城とかは文化遺産だからお間違えなく。)
世界遺産(自然遺産)。日本だと、「白神山地」に「屋久島」に「知床」の三つ。
なにせ、『顕著で普遍的な価値のある遺跡や自然地域などを、人類全体の世界的な遺産として保護し、保存し、国際的な協力体制の確立を目的として』いるんだぜ、恐れ入ったか!なんか凄そう!
マジで、ここに手を出したら神様も、世界も、ユネスコも、黙っちゃいないから注意しな。
まあ今どきの一般モテ常識として、日本の三つくらいはどんな場所か覚えといてもいいかもね。
「知床」 :世界で最も低緯度の海氷域であり、海氷の影響による海洋生態系と陸上生態系が連続する、相互関係の顕著な見本としての複合生態系が維持されている。
「屋久島」 :樹齢数千年のヤクスギ巨木群を代表とする多くの固有種や絶滅危惧種を含む生物相を持ち、海岸部から亜高山帯に及ぶ植生の典型的な垂直分布がみられる。
「白神山地」 :氷河期以降の新しい東アジアにおける代表的なブナ林であり、ブナ林の純度の高さやすぐれた原生状態の保存、動植物相の多様性において世界的に特異な森林である。
あー、生きてるうちに、一度は行ってみたいよねえ。ミーハーでもいいから!
エコツーリズムって何?
みんな、いい加減に自然が大事だってこと、森ってヤバくない!?ってことわかってくれたよね。
「でもなんか物足りない。」そんな声が聞こえる。いや、ていうか物足りないって言って(笑)!
そうなのよ。結局こうやって文字で読んでも、実感したーとは言えないんだよね。
だから大事なのよ、現場での体験が。だって「事件は現場で起きてんだから!」
まなぶのも大事
環境教育って言葉があるの知ってる? なんか道徳の時間みたいでピンと来ないかもしんないけど、要は森林と触れ合って体験して森林って大事ーって覚えてねっていうこと。
老若何女とわず、そういう機会が増えることで、まずは一歩、森に近づくわけだから。
その意味で、「森林セラピー」は環境教育にぴったりなわけよ。森のすばらしさ、森のありがたさ、森の尊さを、ぜーんぶ体験できるからね♪ ってなんか森林セラピーの回しものみたいな言い方だけど(笑)。
休むのも大事
で、エコツーリズムも、いわば環境教育の一つ。旅行しながら、観光しながら、ガイドの方から案内を受けて、自然の保護に配慮しつつ自然に触れ合い、学び、知る活動のことなんだって。
グリーンツーリズムって言葉もあって、農村とか漁村とかいわゆる田舎地域で、その自然や文化、土地の人々と交流する滞在型の余暇活動のことを言うよ。
どっちも、楽しみながら、自然と森と親しもうって言うのは、いいんじゃなーい♪?
そう思ったみんな、今週末は、地元の森林ボランティアにでも参加して、森を守り、森を味わい、森と生きようじゃないか!!!
※ちなみに、茨城県久慈郡大子町では、「勝手に森林サポーターの会」という森のサポーターを応援する企画があるよ♪ 興味があったら大子町にGOだね♪ (セラピーまなぶ君とは直接関係ないかどうかは、本人にもわからない。)
第2章ー④へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓
第2章-② 森が頼もしすぎて萌える!
アップル?あ、なんかいたねそれ。
えーと先に言っときます。日本の森林の、ホントの力を、ちょっとイヤらしい感じで発表するね。
年間、70兆円分働いてます!!!
はいドーーーーーン!
ビビった?70兆よ、70兆。
ちなみに、韓国の2019年の国家予算、47兆円だからね。あ、アップルのブランド価値(2015年)は30兆円。まあ、日本の森林に比べたら、なんかもう、プッって感じ(笑)。
悲しいかな、これを今の人類はちゃんと森に払ってないので、実際には森は稼いでないんだけど、それくらい人類に貢献してるってことをよくよく感謝して欲しい。
ちなみに、金額的に多い順から森林の多面的機能を挙げていくと
1位、「表面浸食防止」で28兆円3000億円!!
2位、「水質浄化」で14兆6000億円!
ちょっと空いて
3位、「水資源貯留」が8兆7000億。
4位、「表層崩壊防止」で8兆4000億。
5位、「洪水緩和」が6兆4000億。
残り3つが、
6位、「保健・レクリエーション」で2兆3000億。
7位、「二酸化炭素吸収」が1兆2000億。
8位に「化石燃料代替」で2000億。
それ以外にも、どうしてもお金には換算できない要素だって山のようにある。「生物多様性保全」とか、「文化機能(風景とか学習とか伝統文化とか)」など、あー、森ってすごいのよ、とにかく。
水を守る、これ最重要!
森ってなーんだ?って聞かれたら、みんなは、木!とか、くまさん!とか、綺麗な空気よね♪とか、答えてない?
それ、マジで浅いから!!!
浅い浅い。浅すぎてくるぶししか足湯になってないわ!ていうくらい浅い。
え?わかりづらい?
いやいや、森ってなにがすごいって、ズバリ言うけど「水」なんですわ。
もう究極言っちゃうと、「地球の水の守り人」みたいなもんだから、森は。そこんとこよろしく。
あえて小難しく言うよ、そういうの好きだから、偉い人は。
森の、洪水(あふれる)や渇水(たいりない)を緩和し、水質を保全する働きのことを、「水源かん養機能」って言うんだって。(いやそこは、ちゃんと「涵養」って漢字使おうぜって思うけどなんだかな~~(笑)。)
まずは蓄えるぜ~~
森の土を思い出してみよう。
良い森の土ってのは、たくさんの落ち葉や枯れ枝が幾重にも積み重なってそれが分解されて長い年月かかって、最っ高の「団粒構造」になってるんだ。これ、土に目に見えないような隙間がいっぱいあるってことね。
しかも、モグラの掘った穴、腐った木の根っこの穴(腐朽孔)もたくさんあって「スポンジ状の構造」にもなってる。
だから、雨や雪の水分が、地面の中をゆっくりと時間がかかって川や地面の下に移動していく仕組みになってるんだ。
逆に表土にこういったもの(落枝落葉とか堆積層)がないと、土に水が浸透しにくくなって、地表を流れてしまうようになる。
つまり、森の植物や動物のいろんな活動が普通にあるだけで、洪水を防いだり、逆に地下水や河川水量をほぼ一定に保つ機能がすっごく備わってるんだ。
ナチュラルブリタって呼んで♪
小さいころ、雪って食べるものじゃなかった? ていうか食べたことない人なんている?いや、食うよね、ふつう!
でもあれダメよ!今や常識あるお母さんは子供らに、雪は汚いから食べちゃダメよ!なんて言うんだから。これマジな話。
雨とか雪って、大気中のちりやほこりや硫黄酸化物や窒素酸化物(工場の煙突から出てそうなやつね)を取り込んで降ってくる、汚れまみれのシャワーなんだから!
いやー、夢の無い時代になっちゃよね。おじさん悲しい。
でも安心して、森がぜーーんぶ綺麗にしてくれっからね。
まずは、水源涵養機能と関係するけど、とにかく土壌に沁みこんでスポンジ状の土の中を流れるだけで、「濾過(ろか)作用」が働いてる。これがブリタ効果。これだけで十分な気がするけど、森はそれだけじゃあない。
植物が、雨に溶けてる余計なリンとか窒素成分を養分として吸収するから、水も綺麗になるわ木も嬉しいわ、一石二鳥の効果もある。
さらには、土は元々岩石だったわけで、カルシウム分とかあるので、それがイオン交換とかの作用で雨の酸性度を下げて中和するっていう、え?そこまでしてくれんの?みたいなサービスがいっぱいあるんだ。
ただ雨が、森を通過するだけで、ミネラルウォーターできあがりってすごくない??
あれ?もしかして、人類ってその恵みをそもそも受けて生きてきて、今それをペットボトルにして買ってるだけか! 何やってんだ人類(笑)!
森の恵み、ハンパない。
温暖化からも守ってる!
まじ? 温暖化? こんなに迷惑かけてんのに、さらに守ってくれてる?
産業革命以降、爆発的に二酸化炭素の排出が増えて、この100年で1度近く気温上昇したと言われている。賛否両論あるとしても、二酸化炭素が増えてるのは間違いない。
じゃあまず、CO2吸っときマース
そもそも、植物って、地球が何十億年も前に誕生してCO2濃度がものすごく高い時に、それをガンガン利用して進化し続けてきた種族。いうなれば、二酸化炭素を食うために産まれてきた存在。で、ようやく増えてきた酸素を、今度はガンガン利用して増えてきたのが、動物って種族。
植物はさ、空気中の二酸化炭素を取り込んで、酸素は捨てて、できた炭素を体の部品に使ってるんだ。だから、植物がいると、空気中の二酸化炭素が炭素として植物の茎とか葉とか幹とかになってる分、固定化されてCO2が減るんだ。
で、燃やして二酸化炭素になったとして、もともと吸った分なわけだから、石油とか石炭と違って出入りがゼロってことで「カーボンニュートラル」とも言われてるよ。
ちなみに、家を木材住宅にするとその分ずっとその木が炭素をキープし続けるから、CO2抑制効果は継続する。木造住宅の炭素貯蔵量は、平均6炭素トンなのに対して、鉄筋プレハブとか鉄筋コンクリートはたったの1.5炭素トンしか貯蔵してないらしい。
さらには、建てる時のCO2排出量も、木造は5炭素トンで建つのに対し、プレハブは15炭素トン、鉄筋はなんと22炭素トンも排出されるんだ。おしゃれなコンクリート住宅とかビル群は、エコ的にはすっごいCO2まき散らしててダサいってこと。木造にするだけで森を育てるのと同じ効果があるから、木の家は「第二の森林」なんても言われてるんだ。
そういえば森って涼しくない?
森が涼しいのは日陰が多いからでしょ!?て思う派?
でもそれだけじゃないんだなー。砂漠が暑いのは、わけがある。それは、木のあるなしに秘密がある。植物に日があたると、葉っぱから水分を蒸発散させるんだけど、そこに太陽の熱エネルギーが使われるんだ。
地面を直接温める代わりに、葉っぱを温めてそれで水分を空気中に放出させてるんだ。木の葉っぱは多くは地面から離れてるから、森林内は日陰効果にプラスして気温が上がりにくい仕組みになってる。すごくない?
温暖化に直接影響あるってわけじゃないけど、この地味な効果も、人間にとっては大事なポイントだよね。
シンプルに気持ちいい!
第1章のセラピーの説明のところでも書いたけど、森には、人にとって快適さを感じさせる何かがある。それはシンプルに、森林の大切な役割と言えるよね。目に見えて活躍する人も大事だけど、いるだけでなんか頼もしい~とか癒される~っていう人も、組織の中には必要でしょ(笑)。
空気うま!
さっき「雪食うなよ」、って言ったけど、つまりは、今僕たちの住んでいる地球の空気は汚染されてるんだ(涙)。悲しいけど。だから、大気汚染なんて言葉もあるんだよね。
でも安心して、僕たちには、森がいる。
実は植物の葉っぱが空気を取り込む時、気孔(葉っぱの裏にある小さい穴)を通して汚染物質も取り込んでるんだって。その上、体内で化学反応して低毒化して蓄積して、さらには枯れた後には土壌成分として利用されるとのこと。
悪名高いあのオゾンなんて、葉っぱに触れただけで分解されるっていうんだから、なんか魔法みたいだよね。
葉っぱから吸い込めないチリやほこりだって、風とか霧とか雨とか色々が枝葉とぶつかって吸着して地面に落とすことで空気清浄化を果たしているんだ。
それに加えてフィトンチッド放出させてリラックス効果まで演出してるしね、奴ら。
そりゃあ森の空気は美味いわけだ。
静かすぎて耳キーンなるわ!
森が気持ちいい理由の一つに、騒音が少ないってのもある。
シンプルに騒音のもと(文明)から遠いっていうのもあるけど、樹木が、草木が、音を吸ってるんだ。その静寂、ちゃんと森が作ってますから!
その一方で、川のせせらぎ、風のゆらめき、鳥の声、虫の声、様々な自然音が、騒音を隠すマスキング効果なんてのもあるよ。
防災だってしてっから!
まずは土砂災害から
稼ぎ高ランキングで言えば最上位がこれだったよね。28兆円でダントツ一位を獲得した「表面浸食防止」機能。
森があることで表土の浸食、土壌の流出が防がれている土砂の量を、堤を建設したとして建設費を算出したら、こんなにトンデモナイ金額になってしまうんだって。
水のところで書いた、雨水による土砂の流出を防いでるだけじゃなく、樹木の根っこが深く張ることで地盤が滑りにくくなり、地盤の表層崩壊防止の効果もあるんだ。
他にもいっぱい役立ってる
それから、木がたくさん生えてることで、落石とか雪崩をまさに身を張って止めてくれてるし、防風、防砂、防潮なんて効果も、ある。あげればきりがないけど、お前らマジで、感謝たりないからね。
だから、林業っていうか森の使い方大事!
↑↑なんか「プロフェッショナル~仕事の流儀」のナレーションっぽくない(笑)?
でも、現状は、本当にこんな状態。
森林が国土の7割を超える日本の「木材自給率」が、
1955年には94.5%だったものが
2008年時点で、24%しかない。
経済成長とか、一次産業の衰退とか、もう理由は山ほどある。それは仕方ない。結局、安い輸入材を利用するばっかりになって林業がもうからなくなって、森に人が入らなくなった。
そして、荒廃が進んだ。
日本の森の4割は、人工林。放っておいても木が成長する(豊かになる)天然林とは違う。間伐しないと下草が生えずに、土砂流出災害を誘発する。使わない⇒荒廃する⇒もっと使えなくなる、この負のループを、今、抜け出すことを考えないといけない時にきてるんだ。
森とつきあうって奥深い
人生100年、林業50年
林業は50年サイクル。って、なっがー!だよね。
でも、木材として利用するとなると、これしょうがないんだよ。ていうか俺まだ40代だし! もう、気が遠くなるくらいの事業。もう正直、考えるのメンドウって気にもなる。
だから、なんかしないといけないんだよね。
色々細かく言い出すと、専門的すぎてみんなが引いていくのが目に見える。
「下草刈り」が大事です。
「間伐」はお金になりにくいんです。
「国産材」と使いましょう。
ってわかるけど、一般ピーポーに何ができるって気がするもんね。
だからこそ、森にまずは出て(森林セラピーでもなんでもいい)、森と人とのつながりを今よりもぐっっっと近づけて、森のトンデモナイ素晴らしさを知ってもらって、日本の森を回復させていく機運が高まるっていうのも、実は大事なんじゃないかな~~。
林業が盛り上がるかどうかって、森を楽しみ森に親しむ人が増えるっていうことと、絶対にリンクしてるよね!
少しずつ、長く、がキーワード
森林利用、特に林業的な利用の今後に必要な視点は、ずばり「持続可能な森林経営」なのだそう。
それは、機能としての「水土保全」も、「森と人の共生」も、林業としての「資源の循環利用」も、持続可能な視点がないと十二分に発揮されないからなんだ。つまり、目先のことばっかり注目しちゃってきた歴史があって今ヤバイわけだから、シフトチェンジが必要ってことだよ。
そこで大事なのが、すこーしずつ伐採しよう!ということ。
一斉に伐採して一斉に植えるやり方の森を「単層林」って呼ぶんだけど、これがまさに今までの林業。そうでなくて、一部を伐採して、色々な木を植えていって育てる「複層林化」がポイントなんだ。
複層林にすると、
①はげ山にならないから、景観がGOOD
②土がむき出しにならないからNO!土壌流出
③いろんな木が育つので、継続的な収入確保♪
④しかも残された木は100年育ってメガ収入!
(3と4は経営努力も欠かさない気がするけど。。。。)
っていいことずくめ♪
何よりも、環境保全・向上効果が大きいのが、本当に肝心なので、覚えておいてね。
たまには自分だすよ
個人的には、
『皮むき間伐』活動とか、
『大地の再生』活動とかを、
オススメっていうか激押しするよ!
※これ、森林セラピ検定には一言も乗ってない、ごくごく個人的な推薦だから、テストには絶対出ないからね(笑)。
第2章ー③へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓
第2章-① 日本の森ってば、つまりはどんな感じなの??
やっばー。全然進んでない。しかもフォレストまなぶ君なんて一切活躍してない(笑)。まあ気にすんな! 今回もテキストまなぶ君が進めていくぞ。ついて来-い♪
日本の森を、いろんな見方で分けていくぞー
前に、日本は国土の7割が森林って調べたけど、全部が同じ森なわけじゃない。森ってひとことで言っても、あんな森こんな森いっぱいあるでしょ?
偉い人は、森って木がたくさんあるだけじゃなくて、よく見たら種類ごとに分けられるって発見したんだね。
そのせいで、覚えることも増えたんだけど(怒)。 そんでも、ついてきてね~♪
人が手を出したか出してないか
これってシンプル。人がちょっかい出したか出してないかで区別するだけ。
大きくは、「天然林」ちゃんと「人工林」ちゃん。天然林は日本の53%を占めて、「原生林」ちゃんと「二次林」ちゃんに区別されるよ。人工林は41%。残りは、竹とか、いろいろ。
もうピュアすぎ!「原生林」
まずは、一度も手を出されてない、処女的な感じ。あるいは童貞的な感じ。
それが「原生林」!!
だけど、厳密な意味での原生林は、日本にはほとんど残ってないんだ。北海道の知床のミズナラやアカエゾマツ、白神山地のブナ、沖縄のヤンバルの森なんかが有名だね。
一度、原生林の、誰も手を出してない、神秘な感じを味わってみたいよね~~。ワクワクするよね~。ていうか、全然、エッチな意味じゃないから!
あなたのとなりに、「二次林」
天然林のほとんどが、「二次林」だよ。手を出されてはいるけど、全然擦れてないっていうか、適度にいい感じで無垢っていうか自然っぽさも残ってる感じ?
二次林は、刈っても、種が芽を出したり切り株から芽が出て自然に復活する「天然更新」が行われるよ。
いわゆる里山も、二次林に含まれる。つまり人が日々付き合い、適度に手を入れ、長く付き合ってきた、パートナー的な存在なんだよね。きっと。
北の子はミズナラ、シラカバ。関東の子はコナラ、クヌギ。西から南の子は、アカマツ、コナラ、シイ、カシ。
手をかけないとダメよ「人工林」
逆に「人工林」。日本の森の4割がこれ。
人の手が、ガンガン入って管理してる感じ。なんていうか、自分(森)の価値をしっかりわかってて、価値をお金に換えて提供してるってところがプロ意識を感じるよね。求められることに応えてる?これはこれで、魅力的だよね~♪
スギ、ヒノキ、アカマツ、トドマツ、カラマツがお馴染み。いいコそろってるでしょ。あくまでも、木材資源だからね!
ポイントは、天然更新ではなくて、苗木を植えて育ててるってとこね。戦後に大量の木材需要が見込まれて、日本中に植林されたんだ。
自分たちではうまく育たずに、人の手が入らないといけない(人工更新)ところなんかも、実は可愛くない?
あー、原生林、人工林、二次林、三者三様、どれが良いなんて決めらんない(笑)!
どんな樹が生えてるか
森に入って、木の種類をよーくみて、何が多いかな~ってわかれば、やっぱり傾向があるんだよね。北の国の人が肌が白くて、赤道近くの国の人は肌が黒いようにさ。
木の種類で分ける分け方を、「林相」って言うんだ。「相」ってきっと、手相、人相と一緒だから、「見てわかる」時に使うんだ。
では一気に。
尖った葉っぱは「針葉樹」! 丸い葉っぱは「広葉樹」!
枯れて落ちれば「落葉樹」! 枯れずに残れば「常緑樹」!
テカテカ光るぜ「照葉樹」!
以上!チェキラー。
人工林みたいに一種類なら「単層林」って言うんだけど、人工林以外の森はほとんどが混ざって存在する「複層林」って言うよ。
「高いか低いか」と「寒いか暖かいか」
日本って、南北に長くて、しかも海岸線から富士山の頂上まで標高差がある。ってことは、あっつーい森からさっむーい森でも、いっぱい種類があるんだ。
南北での分け方は「水平分布」、高低での分け方は「垂直分布」っていうよ。なんとなく、水平分布と垂直分布の木の種類は対応してて、富士山の中腹(2000m)のあたりと、北海道が、似てたりするんだ。
覚えなくてもいいけど、高いとこ(北)から順に、
「高山帯」:寒いし風強いし背が低いよ~~。低木とか高山植物とか。(ハイマツ、ナナカマド)
「亜高山帯=亜寒帯」:タイガ?針葉樹林?(シラビソ、トウヒ)と、落葉広葉樹(ダケカンバ)
「山地帯=冷温帯」:東北のブナが代表的で、ミズナラ、ホオノキとかの落葉広葉樹と、スギ、ヒノキ、ヒバ(青森!)の針葉樹が混ざってる。
「低山帯=暖温帯」:葉っぱツルツルの照葉樹(シイ、カシ、クスノキ)と針葉樹(アカマツ、クロマツ)と落葉広葉樹(コナラ、クヌギ)が混在。
「亜熱帯」:あったかーい地方には、マングローブ、常緑広葉樹(ガジュマル)とか大型のシダ植物がはえてるよ。
ざっとこんな感じ。覚えなくてもいいからね!だって博士になるわけじゃないし!
第2章ー②へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓
第1章-② セラピーっていうからには、身体のこともね
おっす! おらテキストまなぶ君。前の投稿から2か月も経過してるけど、気にすんな!
フォレストまなぶ君(森に行っていろいろ感じるほう)が忙しすぎて、座って本読む時間なかったんだから仕方ねーのよ。
ってことでテキストまなぶ君第2弾、第1章-②「セラピーっていうからには、身体のこともね」始まるよ~♪
森林セラピーのこれまで
森林セラピーって、実はデータがまだまだ少ないってことは前回バラしちゃったよね(笑)。 初めて日本で大規模なフィールド実験が行われたのが2004年なんだけど、それまでの研究は、主に室内で行われてたんだよね。室内で森林?!ってなんのこっちゃと思うけど、一応意味はあるらしい。それは、五感の実験なら室内でできるから!、という理由なんだ。では、どんな実験か見ていこう~♪
室内実験(国内編)
視覚刺激
あくまでも森の中じゃなくて、室内で、高解像度大型ディスプレイに映像を映してそれを見た人の心身にどんな変化があったかという実験。
森林浴の風景を見た人は、主観評価(つまり感想、実感などの気持ちを言葉で伝えるもの)では「快適さ」「落ち着き」などを感じ、生理応答(つまり、数値で確認できる身体の変化)では「前頭前野活動(これは脳が活性化してるかどうか)」の落ち着きや「血圧の低下」「脳活動の低下」などが確認できたそうだよ。
他に、いろんな動画8種類を見せた時の自律神経系の反応を調べた実験もある。これも面白くて、溶岩とか砂漠の動画を見せたら心拍出量が増えて、雪景色とかせせらぎの動画では心拍出量が低下したんだ。つまり、「自然」は、映像であっても人間は影響を受けるというとこが証明されたってわけ!
あとも、ほとんど同じだから省略!
嗅覚刺激、触覚刺激、聴覚刺激、味覚刺激、についても同じような様々な実験がされたけど、どれも、自然由来のものと人工的なものを人間に与えると、自然由来のほうが、落ち着いたり快適さを感じたりするみたいだよ。詳しくは自分で調べてね(笑)。
海外でも実験されてる
日本が一番多いらしいけど、自然の効果は海外でも結果が報告されているよ。これも結構面白い。
窓から木が見える部屋の入院患者は入院期間が短い!とか、観葉植物を置いてあるオフィスだと仕事の時の血圧上昇が少ない!とか、ほんとかな~っていうくらい効果があるんだね。
どう?森林セラピーにワクワクしてきた?!
ではもうちょっと掘り下げていくよ~。ついて来てね♪
体のことを、真面目に解説するよ
森林セラピーって、森は体にいいよ~ってニュアンスで言っててもダメなのはもうわかってるよね。なにせ「エビデンス」が認められた森林浴効果らしいからね! ってことは、お医者さんほどじゃないにしても、体の仕組みをある程度わかってないとセラピストにはなれないってことらしいんだ。大変だ~~~。でもまなぶ君は負けん。みんなもおらについて来てくれー!
脳の働き
なにせ、脳ですよ、脳。基本中の基本。人類は脳について、まだ数%しかわかってない、なんてことも言われたりする昨今。だからといって、それを言い訳に素通りするわけにはいかない。ああ、わかりましたよ。やりゃあいいんだろやりゃあ。でも、セラピーに関係することしかまとめないからな。脳について知りたいんならこれでも参考にどうぞ(なげやり)!
参考※ http://www.brain-studymeeting.com/str/
脳って、みんなが思ってる以上に、いや思っている通りか(笑)、ありとあらゆる人間の基本的な機能をつかさどっている部分なんだけど、森林セラピーとの関係を思い切って一言で書いてみるよ。準備はいい?
「森林セラピーは、色ーーんな外的作用を通して脳の様々な部分に直接的間接的に働きかけ、自律神経や内分泌系や免疫系に影響を与えて体の調子を左右させるよ。」
わかった?微妙!?
さらに手短に!
「森は、五感にすっごく刺激を与えて脳に働きかけるから、体に、とってもいい影響があるよ」
OK?? 完璧じゃない?
よし、次いよいよ細かいとこいくぞ。神経系の説明だ!
中枢神経系
「神経」と聞くと、なんとなく「反射神経」をイメージしない? 俺だけ? その反射神経に代表されるのが、「中枢神経系」なんだ。
ひとまずは脳の働きの中でのトップバッターとして、この中枢神経系を覚えといてね。脳が働いているか働いてないか、を一番シンプルに測るとしたらココ、そして中枢神経を測るのは、脳波!
で、測定方法は、脳波を電気的に測る方法と、脳の酸素濃度を測る方法などがある。
脳波といえば、α派だよね♪ リラックス=α派。測定は、頭皮に電極。だけど電極は不快だからα派減ったりする、なんてジレンマもあるよ(笑)。
忘れがちだけど、脳だって生きている。だから活動しているときは酸素を消費する。だから、脳の血管中の酸素濃度(厳密にはヘモグロビン濃度)を測定すると、活動状況の変化がわかるらしい。MRI(磁気)だと精度は高いけど、機械が大げさで大変。持ち運びができるNIRS(近赤外線)だと、リアルタイムに測れてお手軽だけど精度は低い、なんて一長一短もある。
★中枢神経系と森林セラピー★
森で座る実験をすると、前頭前野の活動が沈静化し、リラックス効果があるんだ!すごいでしょ♪ これ、脳波を測ってわかったんだ。
自律神経系
自律神経は、ストレスを測るのに一番向いてる。だから検査としても良くされがち。
自律神経といえば、交感神経と副交感神経の二つ。これだけ覚えたらOK。交感神経は、興奮するときに高まる。副交感神経は、リラックスするときに高まる。血圧上昇とか、心拍数増加とかは、交感神経優位になってる証拠なんだよね。だから、自律神経は、ストレスチェッカーとして有効なんだ
細かい測定方法は、ここでは無視(笑)。血圧とか脈拍、心電図とかで覚えといて。
面白いのは、ツバ(唾液)でも自律神経系を調べられること。唾液って、興奮してる時とリラックスしてる時で成分が違うの知ってる? 人類の進化の過程で、興奮状態といえば「狩り」だよね♪ 狩りの最中は怪我しやすい。だから細菌感染を防ぐために抗菌性の酵素リゾチーム(なんちゃらかんちゃら・・・)で、つまりはツバがネバネバする(交感神経優位)。逆にリラックス状態の代名詞は「食事中」♪ 食べてる時は、消化酵素が必要だから、消化酵素のアミラーゼが増えてツバがサラサラになるんだって(副交感神経優位)。つまり、唾液中のアミラーゼを測定すれば、リラックス状態かどうかがわかるってこと。しかもキットさえあれば数十秒でわかるなんて便利~~。
※参考 https://www3.dental-plaza.com/archives/5540
★自律神経系と森林セラピー★
森林浴を行うと、血圧、脈拍を低下させるんだ。つまり、リラックス効果があることが確認されるよ。すごいでしょ♪ また、アミラーゼ濃度の低下し、唾液サラサラ状態の低ストレス状態だということが証明されているよ!すごいでしょ♪
内分泌系
内分泌系っていわれるとチンプンカンプンだけど、つまりはホルモンのこと。焼肉屋のホルモンじゃないよ! 男性ホルモンとか女性ホルモンとかもそうなんだけど、カタカナだと「インシュリン」「アドレナリン」「テストステロン」とか聞いたことない?それそれ。体の調子を整える、体の中でつくられる化学物質のことだよ。ホルモンは、ギリシア語で「呼び覚ます」という語源らしい。生命をつかさどる、闇の支配者みたいで面白いよね(笑)。
ホルモンは、身体がうまーーーくコントロールされるように分泌量の増減が行われて、体調の調整をしてくれるんだね。だからその分泌量を調べると、いい感じか悪い感じかがわかるってこと。
医学的にホルモンのこと理解しようとすると泥沼にはまるので、詳しく知りたい人はここでも読んで(汗)!だってホルモンって100種類くらいあるんだモン。
参考※ http://www.j-endo.jp/ippan/contents/02_hormone.html
一個だけそれっぽく言うと、森林セラピーだと「コルチゾール」っていうホルモンの濃度を測ることでストレスの程度を調べるよ。血液や尿でも測れるし、唾液でも測れるんだけど、食事の影響も受けやすいから注意が必要だね。
★内分泌系と森林セラピー★
森林浴と一般旅行とで尿中アドレナリン(精神的ストレスがわかる)&尿中ノルアドレナリン(身体的ストレスがわかる)を測定すると、どちらも森林浴後に濃度が低下したんだ。すごいでしょ♪ もうひとつの精神的ストレス指標にもなる唾液中のコルチゾールも、濃度低下が確認されている。つまり、森林浴でストレス解消!がハッキリされたんだ。すごいでしょ♪
免疫系
免疫って、身体の自衛隊みたいなイメージ。病原体とか、がん細胞とか、身体を攻撃してくる敵から身を守る、頼もしい存在。ちなみに、自衛隊を国防軍と呼ぼうとか憲法9条は~とかいうのは話がごちゃごちゃするから勘弁してね♪
免疫細胞もいろいろ種類がある(7以上?)けど、森林セラピー界隈で登場するのはリンパ球のT細胞、B細胞、NK細胞だけ覚えればいい!
その中でも大事なのがNK細胞。NKの意味は、「Nanigeni Korosuyo なにげにコロスよ」の略(ウソ)。英語だと「Natural Killer」(マジ)。こいつら、がん細胞をすっごくナチュラルに葬り去る、ゴルゴみたいな存在。
NK細胞活性を調べる、つまり体内ゴルゴが多いか少ないか検査すると、病気になりやすい状態かどうかがわかるんだね。
★免疫系と森林セラピー★
人が森に入ると、男女問わずNK細胞数が増加し、NK活性を上昇させることがわかったよ!すごいでしょ♪ 森林セラピーは、がんの予防効果も期待されているんだ!マジすごい♪
他にもいろいろ森林セラピーの効果を確認できるよ!
作業能率・反応時間
ストレスがあるかどうかを調べるのに、ある作業をさせてその能率とか時間を測定するっていう方法もあるよ。
例えば、暗算とか記憶とかの問題を出して、普段の時と比較してどう変わるか。たぶん、ストレス高いと、ミス多いとか時間かかるとかなんだろうね♪
きっと、森林セラピー前後で調べると、いい効果がでてるはず♪
主観評価
上のほうでもチラッと書いたけど、森林セラピーは、客観評価って言われる「生理指標(データで測れる)」に基づく調査と、主観評価も重要視されてるんだ。数字でわかる検査とは違って、アンケートみたいなもんだね。(もちろん科学的なアンケートだけど♪)
種類としては「官能評価」と「気分評価」があるよ。うーん、細かくは面倒だから省略(笑)! よく耳にする検査はPOMS(感情プロフィール検査)。気分評価を測るPOMSは、気分とか感情を「気がはりつめる」「すぐけんかしたくなる」「生き生きする」みたいな項目に分けて質問して、「まったくなかった」から「非常に多くあった」の五段階評価して答えていくものだよ。なんとなく、いつだったかどこかで体験したことあるんじゃない?
きっと、森林セラピー前後で調べると、いい効果がでてるはず(笑)。
まとめ ~じゃあ結局、実際は何やるの?~
いろいろだらだらと書いてしまったけど、実際どうよ?!ってこと知りたいよね。
で、測り易さとか機材とか屋外でとか考えると、だいたい実施される検査は決まってくるんだ。それが以下の5通り。もちろん、しっかりした環境で血液検査とかすることもあるから、これだけ覚えればOKというわけじゃない。
1.NIRS(近赤外線分光法)かTRS(時間分解分光法):脳血液か脳波の測定
⇒中枢神経系
2.唾液中アミラーゼ活性と血圧、脈拍、心電図
⇒自律神経系
3.コルチゾール濃度:唾液採取
⇒内分泌系
4.s-IgA濃度:唾液採取
⇒免疫系
5.POMS:気分評価
⇒主観
こんなんイチイチ全部覚えてられるかって感じだけど、もちろん覚える必要なんてない。そもそも、森林セラピーなんて、きっと体に心にいいはずって信じて森で過ごせばいいんだから!
個人的な意見だけど、案内する人は、どんな人にも効果があるから自信を持ってセラピーすればいいし、参加するひとは、自分の心身が癒されてる~って浸ればそれでいい!
で、始めと終わりにちょっと専門の人が検査させてください~ってお邪魔して、データやらアンケートやら採ってもらって、最終的に「森は最高♪」っていう証拠(これがエビデンス!)がどんどん集まればいいだけでしょ。
最近、スマホとかでも簡単に測れるアプリとかどんどん開発されてるらしいから、今後のセラピー事情にも注目しておくといいかもね♪
第2章へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*1を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓
第1章-① とりあえず森のこと知ろう-話はそこからだ-
テキストまなぶ君とフォレストまなぶ君
おっす! おらテキストまなぶ君。
森林セラピーは、座って本読んで勉強するのと、森に行っていろいろ学ぶ、二つが大事!だと勝手に思ってる。だけど、一人で二役はなんかキツイ。だから、
>座って本読むのは、テキストまなぶ君
>森に行っていろいろ感じるのは、フォレストまなぶ君
が担当するよ。
今日は、テキストまなぶ君の初登場回。緊張してるけどよろしくね。
ちなみに、テキストまなぶ君とフォレストまなぶ君の登場比率は、
【テキスト95:フォレスト5】くらいになりそうだから、その辺もよろしく♪
いよいよはじまるよ!
森林セラピストになるための、教科書を読む。あーめんどくさい(涙)。だけど、それもまた仕事。
かといって、第1章:森林医学ほにゃらら(後略)とかやってもホントに面白くないので、もう全部、意訳してお届けすることにするよ。
ということで、第1章は、
「とりあえず森のこと知ろう-話はそこからだ-」
はじまりはじまり~~!
すべては森林浴から始まった
日本には森林浴という言葉がある。当時の林野庁長官の造語として、1982年に生まれた。森に入ると気持ちいいよね~っていう感じを、「森林浴」と名付けたんだとさ。
いやさ、そんな言葉ができる前、どれくらい前からかというと、15,000年くらい前の縄文時代から、日本人は森の中で暮らしを重ねてきて、いまさらって感じもするけど。それはまあいったんおいとこう。それ言い出すと、人類は500万年前から森にいたぞ!ってやつが必ずでてくるから。
で、森林セラピーは、森林浴を、もっと深めちゃった言葉らしい。おかたく言わせてもらえば、「森林セラピー」とは、「科学的証拠*1(エビデンス)に裏付けられた森林浴効果」を意味するんだ。
その「効果」を頭いいフリして難しく言うと、『非特異的効果』というんだ。植物由来の刺激(触ったり、吸ったり、見たり、聞いたり、歩いたり、つまり「五感へのインプット」)が、生理的リラックス状態をもたらすことによって、免疫力が向上し病気になりにくい体になる、ってこと。
※ちなみに、薬を飲んで病気が治ることを『特異的効果』とよんで区別するよ。
体にいいから、セラピーなんだね
こんな調査がある。疲れたサラリーマン12人を言葉巧みに森に連れて行って、初日は2時間、二日目は4時間、たった6時間、森を歩いてもらった。すると、疲れリーマンのNK活性が、53%も増強したんだ。あ、NK活性というのは、ナチュラル・キラー細胞活性のことね。知らない?これが高いとガンになりにくくて、低いとガンになるかもよ~っていうやつ。
ほかには、フレッシュ男子学生に森林と都市を歩いてもらって、それぞれ30分くらい座らせてみる実験。市街地に比べて森では、ストレスホルモンである唾液中のコルチゾールが減少したり、副交感神経の活動が高まる(リラックス度がアップしてる)、などの効果が証明されたんだよ。なぜ男子学生が選ばれたかは謎だけど(笑)。
そのほかにも、心拍変動や、血液中の抗ガンたんぱく質の変化などの調査なんかで、具体的に、色んな森で、森林セラピー効果があることが証明されているよ。
こんな感じで、今までは雰囲気で「森は体にいい」って言われてたけど、生体反応をちゃんと調査すると、森の健康増進効果や、予防医学的効果がどんどん解明されてるんだ。ワクワクするよね。
恐怖のフィトンチッド!?
そうそう、フィトンチッドって言葉も聞いたことある? 森のいい空気の正体は、実はこのカタカナの物質なんだ。森の樹木が発散する香りの成分のことで、英語みたいだけど、実はこれロシアの博士が創った言葉。意味はなんと、
「植物(フィトン)」+「殺す(チッド)」(笑)!
いきなり物騒だけど、これにはもちろん理由があるよ。そのロシアの博士は、植物が病害虫から自分の身を守るために放出している物質、それをフィトンチッドと名づけたわけ。
でも今では、微生物や植物、動物などにプラス効果、マイナス効果どちらも含めて植物が放出している成分全般を指すようになってきた。フィトンチッドは、特に人間にとっては強いリフレッシュ効果が認められているんだ。だから、森に入ると気分がスッキリしたり落ち着くんだね。
細かく言えば、杉とか檜の針葉樹林のフィトンチッドはモノテルペン成分が多くリフレッシュ系、ブナとかシラカンバの広葉樹林のフィトンチッドはイソプレン成分が多くリラックス系、なんていう違いもあるらしい。
さらに豆知識。針葉樹林では夕方から朝にかけて成分が最も多いので、明け方の散歩が効果的、広葉樹林では昼間がオススメなんだって。あと、地表から40センチメートルの高さがフィトンチッドが最も濃いから、森で寝っころがったり、座って過ごすのはすごくいいみたい♪
あと感覚もめっちゃ大事だから
科学とか医学も大事なんだけど、森林セラピーにはもっとふわっとした面もあるよ。
一つは、「快適性」。森に入ると、なんか気持ちいい。大げさに言うと、人類が誕生して500万年、自然の中、森の中で暮らしてきた人類は、遺伝子レベルで森と同調(シンクロ)してるんだ!だから快適なんだ!という点。
二つ目は「感性」。直観とか、非論理的とか、そんな感じで良さを理解していいよって言われてる。だから、森の良さを語って良い?って言うやつがいたら言ってやろう。言葉は要らない、身体で感じるんだ!と。
とか言いつつも、これらのことを真剣に、脳波とかホルモン量とかを測って証明しようともしてるんだから結構キテるよね、森林セラピー。
結局何が言いたいかっていうと、森林セラピーは、シンプルに気持ちいいよ!ってこと。
基地とかロードとか大げさだなおい
使用上の注意をよく読みお使いください
実は今、日本では森林セラピーって言葉は簡単に使っちゃいけない言葉なんだ。「森林セラピー」とか「森林セラピスト」とかを本の表紙とかHPとかイベントとか正式に使うときは、®をつけないといけない。いわゆる、商標登録ってやつね。それは、ざっくりいうと、勝手なこと言って森を乱用、悪用されないように、という理由。別にもったいぶってやってるわけじゃない。ちゃんと理解して、きちんとセラピー的な効果を提供できる場所、人が開催する森林セラピー®がオススメだよってことだね(笑)。
で、ちゃんとした森林セラピーを受けるための場所が全国に認定されてて、それを「森林セラピー基地」と「セラピーロード」って呼ぶんだ。
基地は、英語で言えばベースキャンプ。言い換えれば拠点だよね。森林セラピーのための拠点ということなので、いい感じの森があるのはもちろん、宿泊施設や医療施設なども併設されている上で、プログラムも用意されている場所であってはじめて、「森林セラピー基地」を名乗ることが許されるのである!
セラピーロードは、要は、道のこと(笑)。もちろん、いい感じの森の中の20分くらいの散策路で、且つ、ちゃんと専門家による科学的な検証がされる必要があるんだ。なので、俺んちの裏山もセラピーロードだっぺー、みたいな感じで名乗っちゃいけないから、気を付けよう♪
森を所有する地主さんのためにちゃんと説明すると(僕には縁がない(涙)!!)、基地の認定を受けるには、「専門家による科学的な効果の実証」がされたうえで、「自然・社会条件等の評価」と「滞在型施設面等の評価」を審査されて合格しなければいけないからね。
メンドクサイけど解説しよう!
「専門家によるほにゃらら」は、こういうこと!
健康に関する専門家が、実際の森のフィールドの中で実験して、科学的なリラックス効果が実証されなければいけないんだ。その項目は、適当じゃダメで。この5つを測定するよ。
- 血圧
- 脈拍
- 交感神経活動
- 副交感神経活動
- 唾液中のコルチゾール濃度
1と2は、たぶん健康診断みたいに測れるはず。5も、確か専用のキットがあるはず。3と4はわからない!誰か教えて(笑)!
「自然ほにゃらら・・」は、キーワードは3つ!
「自然・社会条件等の評価」
- 五感に働きかける自然。これは、視覚(インスタ映え!よりも目に優しい風景♪)、嗅覚(クラクラするような官能的な匂い!ではなくフィトンチッドや花の香り♪)、触覚(肌触りサイコー!ではなく木肌とか踏み心地の趣き♪)、聴覚(重低音はんぱねー!じゃなくて小鳥のさえずりや木の葉のささめき♪)、味覚(まいうー!よりも旬の味わい♪)ですので悪しからず。
- 散策路の整備状況。これは、キツすぎない、狭すぎない、危なすぎない、とか、ちゃんと休憩できる施設があるか、とかね。
- 交通や案内などの立地条件。誰もたどり着けない秘境ではだめだってことだよね。
「滞在型ほにゃらら・・」はポイントは4つ!
「滞在型施設面等の評価」
- 事務局みたいな管理体制しっかりすること。名前だけで幽霊セラピー基地はダメだってことね。
- 関連施設でセラピーに繋がるサービスなどが地域として用意されてること。要は、ちゃんと健康・自然に関係するプランが提供できるかってこと。逆に、弁当はジャンクフードで夜はクラブでオールでパーティーとかはやめてねってことかな(笑)。(個人的にはパーティーくらいなら悪くないと思うけど♪)。
- 短期的かつ長期的なプランがあること。これは、行き当たりばったりとか思いつきだと困りますよ~ってことか。
- 地域色がとかセールスポイントがあるセラピーを用意しているか。これ、けっこう難しい気がするんだけど、あそこのアレ流行ってっからうちでも丸ごとパクってやっちゃうべ!っていうのはダメということでしょう。なんか結構厳しいなあ。
ちなみに2019年現在、北は北海道から南は沖縄まで、基地は58か所、ロードは6か所だから。これ試験に出るからよろしく。ちなみに虎舞竜のロードは、全部で14章あるからな。
強引にまとめ
それでは最後に、テキストに書いてある主張を、代弁させてもらいます。みんなよく聞くように。
ちょっと強気で言わせてもらうと、森林セラピー基地が100か所になったら、日本の森生まれ変わっかんね。みんなが今よりももっと山に入れば日本の森林全体が再生するし、健康効果があるんだから医療費だって削減しちゃうし、これ最高じゃん?
もう昔の「森林浴」とかと一緒にしてもらうと困るなあ~。なにせ、生理科学の発達で、森がサイコーってバレ始めてるからね。
ていうことで、実は小さい声で言うと研究はまだ始まったばかりなんだけど、可能性だけは無限!てことで。わかってくれたらOK。
声、届きました? そう、結構熱いんです。森林セラピー業界。おらもついていきます!まだ1章のその①しか終わってないけど!
第1章ー②へ続く。。。
※このBlogは、森林セラピー®検定*2を主宰する、森林セラピーソサエティとは、一切の関係がありません。ご了承ください。
*1:たとえば、こんな研究がWEB上で確認できるよ。簡単に読めるのでまなぶ君オススメ!⇒https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002757
*2:詳しいことはこちらのサイトから ↓↓